ベータ$\beta$

CAPMの式は次のようなものである。 \[ r_i=(r_m-r_f)\beta+r_f \]

そして、変数となる$\beta$は、 \[ \beta=\frac{\sigma_{im}}{\sigma_m^2} \] であって、実は資産と市場ポートフォリオの共分散を市場ポートフォリオの分散で 割ったものであることが分かった。これらは何を意味し、どのように解釈されるのであろうか。

気づくことはCAPMが左辺に資産の収益率$r_i$があり、固有の収益率を求める式であるにも関わらず、 その資産の固有のリスクが明示的に右辺に含まれてこないことであろう。

CAPMは市場の均衡を前提としているが、CAPMが成立していると、資産の固有のリスクは収益率に影響せず、 あくまでも市場ポートフォリオとの共分散だけがリスクとなっているのである。

このことはポートフォリオによる固有リスク削減で触れたとおり、 市場の均衡条件はポートフォリオの構築によって資産の固有リスクを無効化することを成功させるのである。

ベータ=1

そして、資産固有のリスクを消滅させた市場の均衡は、すべての資産を一列に並べるのである。

あらためてCAPMの式を見てみよう。そしてこれまでのリスク・リターン平面での分析から、 ベータ・リターン平面へものの見方を切り替えてみよう。

するとCAPMは上のグラフのとおり、 リターンの縦軸で安全収益率を切片とし、横軸のベータが1、縦軸の収益率が市場ポートフォリオとなる◆点 を結んだ直線を表すことになる。

ところで、CAPMはすべての資産の収益率を表すのだから、結局のところ、 すべての資産の収益率はこの直線上に乗ることになるのがご理解いただけるであろうか。

 

















































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